たそがれ妄合法録 第十五法廷:シートベルト着用サインは、トイレ欲にも勝つのか?

たそがれ妄合法録

※本記事は、日常のトラブルを題材に「法律の考え方」を雑談として整理するものです。
記載内容の正確性・最新性は保証できませんし、個別案件への法的助言もできません。

出張帰りの飛行機で、ずっと消えないサイン

出張で飛行機に乗った。

その日はどうやら天気もよろしくなかったらしく、到着30分遅れくらいは、もう「そういう日ですね」で済まされる空気だった。

乗ってみると、案の定というべきか、機内は少し落ち着かない。
そして頭上のシートベルト着用サインは、まったく消える気配がない。

まあ、こちらとしては疲れている。
言われなくとも席で寝ている。
むしろ、揺れる機内は、妙に眠気を育てる装置ですらある。

ただ、うたた寝しながら、ふと思った。

この“着席してベルトを締めていてください”という拘束、どこまで有効なのだろう。

法律っぽく整理すると、だいたい3つある

1 機長の指示には、それなりの強さがある

航空機の運航においては、安全確保のために機長の指示が重視される仕組みになっている。

シートベルト着用サインも、その延長線上にあるものであり、単なるお願いというより、安全確保のための指示に近い性質を持つと考えられる。

2 危険なタイミングでは「座る・締める」が前提

特に離着陸時や乱気流時など、機体が不安定な状況では、座席に着いてベルトを締めていることが前提とされている。

つまり、「動いてもいいかどうか」ではなく、まず動かないことが前提の世界である。

3 トイレは“禁止”というより、“控えてください”の領域

とはいえ、トイレが法律で完全に封じられているわけではない。

ただし、サイン点灯中は安全上の理由から、原則として控えるべき行動とされているのが実態だろう。

現実とのズレ:膀胱は、法令を読まない

ここで問題になるのが、人間の身体である。

法は「座っていなさい」と言う。
身体は「いや、今すぐだ」と言う。

このとき板挟みになるのは、だいたい乗客である。

もちろん、体調不良やどうしても限界な場合は、勝手に動くよりも客室乗務員へ伝えるのが現実的な対応だろう。

ただ、「ちょっと行きたいから行く」は、サイン点灯中には通りにくい。

結論:サインは強い。でも人間も弱い

理屈としては、シートベルト着用サインはかなり強い。

だが、人間にはトイレという最後の事情がある。

そしてそれは、だいたいタイミングを選ばない。

とはいえ、座席で漏らしてしまえば、それはそれで別の意味で緊急事態である。

法的な問題を超えて、社会的ダメージが大きすぎる。

結論としてはこうなる。

シートベルト着用サインは強い。
だが、尿意はたまにそれと対等に交渉してくる。

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