額縁の外側からずっと|第6作「早春図 (Early Spring)」

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※本記事は、筆者が公開情報をもとに個人的に調べ・考えた内容を含みます。 専門的・学術的な断定を目的としたものではありません。

骨董市で掛け軸を眺めるのが好きです。 特に山水画には、なぜか足が止まります。 それでふと、 「有名な山水画とは何だろう」と思ったのがきっかけでした。 いくつか代表作があるようですが、 今回は《早春図》でしょうか。

郭熙
『早春図(Early Spring)』(1072年)
出典:Wikimedia Commons(Public Domain)

作品情報

  • 作者:郭熙(かくき/Guo Xi, 1020頃–1090頃)
  • 作品名:早春図(Early Spring)
  • 制作年:1072年
  • 時代:北宋
  • 技法:水墨画
  • 様式:北宋山水画
  • 所蔵:国立故宮博物院(台北)

墨の濃淡がつくる雄大さ

作風としてまず惹かれるのは、 墨の濃淡による山の表現です。

ただ大きいだけではなく、 山肌のざらつきや湿り気まで感じさせるような描写。 自然の雄大さと同時に、 触れられそうな質感まで表現しているのが印象的です。

人は小さいが、消えてはいない

画面の中の人間は、 驚くほど小さく描かれています。 けれど、確かにそこに生活がある。 小さな橋や民家が、 ひっそりと山の中に溶け込んでいます。

その上には雄大な木々が生い茂り、 さらにその奥には、 すべてを飲み込むような巨大な山が鎮座しています。 人の営みもまた、 山の一部にすぎないのだと投げかけられているようで、 そこがとても良いのです。

この山水に、どう入るのか

大きな絵画というのは、 その景色に入り込めるところが好きです。

この《早春図》を目の前にしたとき、 私はそのままの大きさで入り込めるのだろうか。 それとも、 自分をもっと縮めて、 山の一部として自然に溶け込むのだろうか。

そんなことを、少し考えてしまいます。

最後に

山が壮大すぎて、 人間はちっぽけです。

ですが、そのちっぽけな人間も、 ちゃんとそこで暮らしている。 それがこの絵の安心感なのかもしれません。

今日の悩みも、 山の大きさに比べれば、 ほんの砂粒でしょう。 そう思えたなら、 この山水画の役目は十分果たされています。

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