採用ひとこと草紙  草七

採用ひとこと草紙

「案内は、まだですか?」

面接や面談の流れの中で、こう伝えることがある。

「では、詳細のご案内をお送りしますね。」

これは、「今すぐ送ります」という意味ではない。業務の合間を見て、準備ができ次第送る、というごく普通のビジネス上の表現だ。

ところが――。

まだ1時間も経っていない

その日、案内を送ると伝えてから、1時間も経たないうちに、本人から電話がかかってきた。

「案内は、いつ届きますか?」

……いやいや。正直に思った。

君のことだけやってるわけじゃない。

採用担当は“専属コンシェルジュ”ではない

ここで、少しはっきり言っておきたかった。

採用担当は、就職相談窓口でもなければ、あなた専属のコンシェルジュでもない。ましてや、「あなたのためだけに時間を空けて待機している存在」ではない。

こちらは、あなたが入ろうとしている“企業側”

やる気と、距離感は別物

誤解してほしくないのは、「連絡が早い=悪い」と言いたいわけではないこと。

やる気があること自体は、企業としてはありがたい。前向きな姿勢も評価したい。

ただし――採用担当としては、こう感じてしまう。

  • 距離感が近すぎる
  • 相手の時間を想像できていない
  • 社会人としての“待つ感覚”がない

結果として、少しマイナスな印象が残る。

急ぎでなければ、待てばいい

今回の件は、緊急の手続きでもなければ、当日中に返事が必要な話でもなかった。

それなら、次の日くらいまでは時間をおくこともできる。

むしろ、

「お忙しいところ恐れ入ります。ご都合の良いタイミングでご案内ください」

その一言があるだけで、印象はまったく違ったはずだ。

採用は、すでに始まっている

面接の前後、メールや電話のやり取りも含めて、採用はすでに始まっている。

内容よりも、“どう関わってくるか”は、意外とよく見られている。

やる気は大切。でも、焦りすぎると逆効果になることもある。

和歌でひとこと

待つことも 働く術の ひとつなり
急ぐ心が 縁を遠ざく

#採用ひとこと草紙

「採用ひとこと草紙」は、採用担当の立場だからこそ感じる“言えない本音”を、少しだけ言葉にする記録です。今回は、「案内はまだですか?」という1本の電話のお話でした。

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