はじめに(※ネタバレ注意)
本記事には映画『リバー、流れないでよ』のネタバレを含む感想と考察が含まれています。
未視聴の方は本編をご覧になってから読むことをおすすめいたします。
なお今回も例によって、お酒を飲みながら鑑賞していたため、多少記憶が曖昧な部分があるかもしれません。
どうか温かくご理解ください。
作品について
『リバー、流れないでよ』は2023年公開の日本映画で、脚本は上田誠 氏、監督は山口淳太 氏。
京都の奥座敷として知られる貴船の老舗旅館を舞台に、
2分間の時間ループに巻き込まれた人々の群像劇を描いた作品です。
ヨーロッパ企画が制作したオリジナル映画で、同チームの作品である『ドロステのはてで僕ら』に続く時間SF作品でもあります。
あらすじ
冬の京都・貴船。
老舗旅館で働く仲居のミコトを中心に、旅館の従業員や宿泊客たちはある奇妙な現象に巻き込まれてしまいます。
それは「2分間だけ時間が戻る」という現象です。
気が付くと時間は2分前に戻り、同じ出来事が繰り返されます。
しかし登場人物たちは次第にその状況を理解し、ループの中で少しずつ行動を変え始めます。
なぜ時間が戻るのか。
どうすればこのループから抜け出せるのか。
その答えを探す中で、人々の行動や心情が少しずつ変化していきます。
舞台となる貴船という場所
この映画の舞台である貴船は、京都でも特に神聖な場所として知られています。
貴船神社は万物の命の源である水の神を祀る神社で、全国に約二千社ある水神信仰の総本宮とも言われています。
創建は約1300年前とも伝えられており、日本でも指折りの古社のひとつです。
映画の中でも水の神について少し触れられますが、物語はそこから突然タイムループの世界へと進んでいきます。
神話的な雰囲気から、急にSFの話になるこの不思議な感覚も、この作品の魅力のひとつかもしれません。
2分間ループという絶妙な設定
この映画の面白さは、やはり2分間という短いループにあると思います。
長い時間ではなく、ほんの2分。
そのため登場人物たちは、限られた時間の中で少しずつ行動を変えていきます。
同じ2分のはずなのに、
誰がどこへ行くのか。
誰が誰に話しかけるのか。
その小さな違いだけで状況が変わっていくのがとても面白いです。
観ているこちらも「今度はどうなるのだろう」と思いながら、自然と物語に引き込まれていきました。
ループの中で変わっていく人の心
この映画を観ていて興味深かったのは、人の心の変化です。
最初は戸惑い、混乱していた人々も、ループを何度も経験するうちに少しずつ慣れていきます。
そして中には、極端な行動を試す人も出てきます。
人を殺してみたり、自分で死んでみたりする場面もありました。
もちろん時間は戻るので、本当には死なないのですが、その行動を選ぶ心理には少し怖さを感じました。
ただ同時に、少し理解できる気もします。
もし「必ず2分後に戻る」と分かっていたら、人は普段なら絶対にしないことを試してしまうのかもしれません。
この作品は、そんな人間の本性を少しだけ見せてくる映画でもありました。
死の価値が変わる世界
ループの世界では、死の意味も変わってきます。
普通の世界では死は取り返しのつかないものですが、この世界では2分後に戻ります。
そうなると、人の行動基準は大きく変わります。
危険なことを試す人もいれば、逆に誰かを助けようとする人もいます。
ループの中で、人の優しさや弱さが少しずつ見えてくるのが印象的でした。
まとめ
『リバー、流れないでよ』は、派手なSF映画ではありません。
小さな旅館の中で起きる出来事を通して、人の心の変化や関係性を描く作品です。
コメディのような軽さもありながら、人間の心理を少しだけ深く見せてくる映画でした。
おわりに
もし自分が2分間のループに入ったらどうするでしょうか。
最初はきっと必死に原因を探すと思います。
しかし何十回も繰り返していたら……
たぶん私は旅館の台所を探して、日本酒を見つけるでしょう。
2分後に戻るなら二日酔いもありませんし、完璧な飲み方です。
ただ問題は、その2分の間にどれだけ飲めるのかということです。
どうやら時間ループでも、酒の量だけは増やせないようです。

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