『ザ・ウォッチャーズ』を観て、森がちょっと怖くなった夜に
🍷はじめに(※ネタバレ注意)
※この記事には映画『ザ・ウォッチャーズ(The Watchers)』のネタバレを含む感想と考察が含まれています。
まだご覧になっていない方は、ぜひ映画を観たあとに戻ってきてください。
※ちなみに今回も例によって、お酒を飲みながら観たため、記憶が多少あいまいだったり、情緒が過剰だったりするかもしれません。あしからずご容赦を。
第1章:設定と前半の期待感
この映画、『ザ・ウォッチャーズ』は、シャマラン家のDNAを感じる不穏な始まりが特徴です。
森に迷い込んだ女性が、見知らぬ者たちと「鳥かご」と呼ばれる施設に閉じ込められ、“何か”に観察されている。
この“わからなさ”が、非常に心地よい。
しかも、それが妖精だというのだから驚きます。
第2章:妖精、そして“鳥かご”
この映画における妖精は、いわゆる可愛らしいものではありません。
夜にだけ動き、人間を監視し、ときに弄ぶ存在。
かつては人間と共存していたものの、隔離されたことで「鳥かご」の中で人間を観察し続ける。
それは復讐のためかもしれないし、ただのおもちゃ扱いかもしれない。
中盤に登場する“ハーフリング”(妖精と人間の混血)という存在は、両者をつなぐ架け橋として描かれます。
第3章:地下室と失速
個人的に一番ワクワクしたのは、地下室が見つかるまで。
そこから急に脱出モードになり、どこかサバイバル映画っぽくなっていきます。
「あ、もう出ちゃうの?」「結局ハーフリングが人間界に来て、それで?」と、やや拍子抜け。
あれだけ濃かった不安や期待が、一気にしぼんでしまったような印象が残りました。
第4章:良かった点と物足りなさ
ただしコンセプトは非常に良いです。
「妖精に観察される人間」という設定だけで、十分に一本映画として成立している強度があります。
また、妖精たちがどこか人間を研究し続けていたという構造も面白い。
ただ、後半の描写に含みが欲しかった。
ハーフリングが人間社会に来たあと、何が起こるのか。何も描かれずに終わってしまうのは、少しもったいなく感じました。
🎭 おわりに
それでも、中盤までの緊張感とワクワク感は素晴らしかったと思います。
「鳥かご」や「森」の異質な雰囲気は、映像として非常に印象に残るものでした。
もしあの森に迷い込んだら――
私はまず、奥へは入らない。
いや、その前に森にすら入らない。
なにより、妖精より人間の方が怖い気がするから。
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